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陶芸に関する用語集 な〜も
な
苗代川焼(なえしろがわやき)
薩摩焼(さつまやき)の系統の一つ。黒物(くろもん)と呼ばれる日用雑器を中心とし、後に御用窯(ごようがま)が築かれ白物も焼く。
中里太郎右衛門(なかざとたろうえもん)
唐津焼の窯元で当代14代目。唐津藩御用窯(ごようがま)を務めた伝統を守り、茶陶を中心に食器、花器などを製作。先代13代は佐賀県の重要無形文化財に指定。
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・13代中里太郎右衛門
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・中里忠寛(14代)
中里無庵(なかざとむあん)
12代中里太郎右衛門。古唐津古窯元跡を調査し、その成形法や焼成法を研究。叩き技法を再現。
中島宏(なかしまひろし)
佐賀県武雄市の陶芸家。1969年に弓野古窯跡に開窯。「中島青磁」と呼ばれる独創的な作品は高い評価を受ける。佐賀県の重要無形文化財に指定。
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・中島宏
■関連リンク 筒井ガンコ堂のガンコスタイル・中島宏氏の近作
■関連リンク 展覧会レポート・青磁名宝展
中村清六(なかむらせいろく)
有田工業高講師を経て、初代奥川忠右衛門氏に師事。1966年に高麗庵清六窯を建て独立。佐賀県の重要無形文化財に指定。
■関連リンク あの人に会いたい・中村清六
■関連リンク 佐賀の陶芸作家・中村清六
鍋島(なべしま)
佐賀県の鍋島藩が大川内山の麓に築いた、献上物専用の御用窯(ごようがま)で焼かせた精緻な色絵磁器。
■関連リンク ガンコスタイル・「鍋島の気品」
■関連リンク 染付鍋島名品展
■関連リンク 鍋島の美展
生掛け(なまがけ)
素焼き(すやき)をせず、釉(うわぐすり)を掛けて焼く方法。本来は、素焼き後に施釉(せゆう)するが、厚手の焼き物に生掛け(なまかけ)が多い。
海鼠釉(なまこぐすり)
信楽(しがらき)や高取(たかとり)などに多く、類似の釉薬(ゆうやく)を二重掛けして釉(うわぐすり)の流動によって、斑紋や流紋などを表現。
鉛釉(なまりゆう・えんゆう)
主成分が酸化鉛である釉薬(ゆうやく)。低火度(ていかど)で溶け、三彩(さんさい)や緑釉(りょくゆう)、楽焼(らくやき)の釉(うわぐすり)、色絵具(いろえのぐ)などに用いる。
南蛮手(なんばんで)
沖縄・台湾・中国南部から東南アジアあたりで焼かれた無釉で焼締陶。


に
濁し手(にごしで)
米のとぎ汁のような乳白色で色絵(いろえ)が美しく映え、伊万里(いまり)・柿右衛門様式(かきえもんようしき)の磁器(じき)に用いる素地(きじ)。
二彩唐津(にさいがらつ)
鉄の褐色、銅による緑色の二色で文様が施された唐津焼。
錦手(にしきで)
赤・緑・黄・紫・青色などの上絵付け(うわえつけ)したもの。色絵(いろえ)・赤絵(あかえ)のことで、主に伊万里(いまり)のものに用いる。
如意雲(にょいうん)
如意頭のような形をもってあらわされた雲の文様のこと。
如意頭(にょいとう)
如意は仏教用具のひとつで棒状をなしたもの。この如意の頭部に見られるスペードに似た形状を指す。
■関連リンク やきものにみる文様・如意頭文様
仁阿弥道八(にんなみどうはち)
京焼(きょうやき)の陶工(とうこう)で奥田頴川(おくだえいせん)に師事。窯を粟田口から東山に移し、古今の東洋陶磁を製作。


ぬ
布目(ぬのめ)
素地(きじ)に残る布目の跡。麻布を敷き、型から素地(きじ)をはがしやすくするためだが、織部焼(おりべやき)では一種の装飾法として利用。


ね
鼠志野(ねずみしの)
白い素地(きじ)に鬼板(おにいた)の泥奬を掛け、ヘラなどで掻き落とし(かきおとし)、釉(うわぐすり)をかけ焼成。地の部分が鼠がかって見える。
根付(ねつけ)
印篭や巾着など、提げ物や袋物が腰からずり落ちないために帯の間に挟む用具。


の
野々村仁清(ののむらにんせい)
京焼(きょうややき)の江戸時代の陶工で京焼色絵の創始者。卓越した轆轤技と優れた意匠、色彩感覚の持ち主。
登り窯(のぼりがま)
斜面を利用した窯。朝鮮半島から伝わり唐津窯が最も古く17世紀以降に広まった。
■関連リンク 登り窯を散策しよう!


は
灰釉(はいぐすり)→はいゆう・かいゆう
樹や藁の灰を原料とした最も基本的な高火度釉。土灰釉(どばいゆう)、藁灰釉(わらばいゆう)など。「かいゆう」とも読む。
萩焼(はぎやき)
山口県萩市と長門市で焼かれる陶器。一楽二萩三唐津といわれ、深い味わいの茶陶として有名。
■関連リンク やきものの産地・萩焼
白磁(はくじ)
白色の素地(きじ)に透明釉(とうめいゆう)をかけ、高火度に焼成。日本では17世紀に伊万里焼(いまりやき)で始まる。
刷毛目(はけめ)
色土の素地(きじ)を白磁(はくじ)に似せるため、刷毛で白化粧を行なったもの。無造作な刷毛の痕が景色(けしき)の一つ。
■関連リンク やきものの技法・刷毛目
バーナード・リーチ
イギリスの陶芸家。東洋陶磁の特質にイギリスの伝統的技法を融合し、独自の作風を展開。
波佐見焼(はさみやき)
長崎県波佐見町で焼かれた磁器。くらわんか茶碗などの日常品が多い。
■関連リンク やきものの産地・波佐見焼
土師器(はじき)
古墳時代から平安時代まで焼かれた素地土器。「かわらけ」ともいう。
浜田庄司(はまだしょうじ)
京都市陶器試験場で河井寛次郎(かわいかんじろう)と釉薬(ゆやく)を研究。バーナード・リーチと渡英し作陶。
ハリ支え跡(はりささえあと)
底が焼成時に落ちるのを防ぐために置かれた円錐状の素地をハリと呼ぶ。ハリを焼成後にとりのぞいた跡のこと。
ハリ目跡(はりめあと)
ハリ支え跡に同じ。
萬古焼・万古焼(ばんこやき)
三重県産の陶器。現在は、陶器と磁器の性格をもつ半磁器(石器)が多いのが特徴。
■関連リンク やきものの産地・萬古焼
飯洞甕窯(はんどうかめがま)
佐賀県東松浦郡北波多村にある唐津焼最古の窯。割竹式登り窯(わりたけしきのぼりがま)跡で有名。
藩窯(はんよう)
江戸時代に各藩が経営した窯。鍋島藩のように献上品など最高の技術で作られたもの、殖産目的なものなど様々。
万暦赤絵(ばんれきあかえ)
景徳鎮(けいとくちん)の官窯で、中国明時代後期に焼かれた赤絵(あかえ)の焼き物。濃厚な色彩と過剰な文様が特徴。
■関連リンク やきものの産地・中国


ひ
緋色(ひいろ)
素地(きじ)中に含まれる鉄分が発色し、釉(うわぐすり)のかかってない部分が赤や茶色となって器面に現れたもの。
火裏(ひうら)
窯中に置かれた器物に、炎が直面していない部分。
火表(ひおもて)
焼成の際、器物が炎に直面する側。焼締陶などの場合、火表には灰が降り掛かり自然釉(しぜんゆう)が厚い。
引き出し黒(ひきだしぐろ)
鉄分の多い釉で焼いた時、窯中で冷まさずに鉤(かぎ)や鋏(はさみ)を使って外に引き出し、急冷し黒く発色させる方法。
毘沙門亀甲文(びしゃもんきっこうもん)
六角形(亀甲文)を下に二つ上に一つ、つなぎ合わせた文様をひとつの単位とした連続文様。
■関連リンク やきものにみる文様・毘沙門亀甲文
肥前(ひぜん)
現在の佐賀県と長崎県にあたる旧国名。唐津・有田・伊万里・武雄・平戸・波佐見など焼き物の産地。
備前焼(びぜんやき)
岡山県備前市で12世紀より焼かれている無釉の焼締陶。鉄分の多い土を使った、濃褐色の肌が特徴。
■関連リンク やきものの産地・備前焼
火襷(ひだすき)
焼成時に藁をのせ、無釉の陶器の表面に現れた褐色のたすき状の筋。備前の火襷は名高い。
紐づくり(ひもづくり)
紐状の粘土を底部の上に巻き上げた後、紐をつぶしながら形を整え、器を作る方法。
氷裂文(ひょうれつもん)
氷が破れた時に生じる不規則な亀裂をあらわした文様。
■関連リンク やきももにみる文様・氷裂文
平戸焼(ひらどやき)
長崎県佐世保市三川内町産の磁器で、平戸藩主松浦家の御用窯(ごようがま)。染付(そめつけ)・錦手(にしきで)・型物などに優品あり。
ビロード釉(びろーどゆう)
伊賀焼(いがやき)や信楽焼(しがらきやき)にみられる、緑色のガラス質の釉。
枇杷釉(びわゆう)
井戸茶碗(いどぢゃわん)にかけられた、枇杷色の長石釉(ちょうせきゆう)。


ふ
深川製磁(ふかがわせいじ)
1894年世界の名窯を目指し、佐賀県有田町に工場を設立。日本独特の陶器づくりを追求し、現在に至る。
■関連リンク 展覧会レポート・深川忠次欧州への道百十年展
吹墨(ふきずみ)
水に溶いた絵具や呉須(ごす)を、霧吹きなどで素地面に模様を吹き付ける絵付け技法。
■関連リンク やきものの技法・吹墨
布志名焼(ふじなやき)
島根県玉造町布志名で焼かれる陶器。京風の仁清(にんせい)や乾山(けんざん)の写しなどがあり、現在は民芸陶品も焼成。
藤原啓(ふじわらけい)
金重陶陽(かねしげとうよう)に指導を受け、伝統の備前焼に新しい感覚を加えた作品が特徴。
芙蓉手(ふようで)
見込みに主文様を窓絵にして置き、周囲に蓮弁を配し、その中に宝尽しや花文を入れた意匠の磁器。
フラックス
上絵具(うわえのぐ)を低温で溶かし、器体に着けるための珪酸鉛質の基材。
フリット
釉(うわぐすり)を低温でとけやすくするために、塩基成分から成る釉。
古田織部(ふるたおりべ)
千利休に茶の湯を学び、その後茶の湯の指導者となる。彼が好んだ「織部好み」の作品は、どれも豪放。
粉彩(ふんさい)
ぼかしを出したい部分に白いホウロウ質の釉薬(ゆうやく)を塗り、その上に釉薬(ゆうやく)で薄めた顔料で描き、ぼがしを出す方法。
分銅(ぶんどう)
円形の二つの部分が内側に入っていて、分銅秤の重りの形をした向付(むこうづけ)の器形。
VOCマーク
オランダ東インド会社の略号で、輸出磁器の文様。
■関連リンク 海を旅したやきもの


へ
篦彫り(へらぼり)
素地に箆(へら)をもって彫りこまれた陰刻文様のこと。
ベロ藍(べろあい)
大量生産の印判染付に使われた、青味の強い鮮やかな藍。
ベンガラ(べんがら)
酸化第二鉄を主成分として、上絵付け(うわえつけ)の赤色の顔料や、鉄絵(てつえ)として用いられるもの。


ほ
法花(ほうか)
中国元・明時代の三彩(さんざい)。器面に盛り上げた界線をつくり、その中に色釉を流し込む。
匣鉢(ぼし)=さや
焼成時に器物を保護し、積み上げて効率よく窯に詰めるための容器。「さや」ともいい、「ぼし」は肥前地区の呼び名。
■関連リンク 陶芸の製作道具・本焼きに使用する道具
彫唐津(ほりがらつ)
長石釉(ちょうせきゆう)を掛けて焼いた胴に彫りをつけた唐津焼。鉄彩を入れたものもあり、製品は半筒形の茶碗。
本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)
本業は刀の鑑定(めきき)磨砺(とぎ)浄拭(ぬぐし)。家康から賜った京都の地に芸術村をつくり、ここで多くの楽茶碗を作成。


ま
マイセン
1709年にザクセン・マイセンの城内にできたヨーロッパ初のドイツの磁器工場。
益子焼(ましこやき)
浜田庄司の陶芸によって有名な、栃木県益子町の焼き物。褐色の鉄釉(てつぐすり)による甕(かめ)や擂鉢(すりばち)などの民具が中心。
■関連リンク やきものの産地・益子焼
斑唐津(まだらからつ)
藁灰釉(わらばいゆう)を掛け、青や灰黄色の細かな斑が現れる唐津焼。割高台(わりこうだい)にするなど、形に意識的な技巧が特徴。
窓絵(まどえ)
色々な形に区切った白い空間のことを窓という。そこに絵を描いたものを窓絵という。
松皮菱(まつかわびし)
菱形を3つ重ねた、向付(むこうづけ)の器形の一種。


み
三川内焼(みかわちやき)
長崎県佐世保市で焼かれた磁器で平戸焼とも呼ばれる。朝鮮陶工によって藩窯(はんよう)として始まる。
■関連リンク やきものの産地・三川内焼
見込(みこみ)
器の内面全体か、内面の中央部分のこと。茶碗の場合は内面全体。
三島手(みしまて)
別名は暦手(こよみで)。線彫りや印で押した花文を現す象嵌(ぞうがん)技法。もとは朝鮮李朝の技法。
水挽き(みずひき)
粘土と接する手の滑りを良くするために、水を使って轆轤(ろくろ)を挽き成形すること。
三島唐津(みしまからつ)
三島の、線彫りや印で押した花文を現す象嵌(ぞうがん)技法によって焼かれた唐津焼。
美濃焼(みのうやき)
岐阜県の美濃地方東部で焼かれた陶磁器。奈良時代の須恵器(すえき)から始まり、独自に志野(しの)、黄瀬戸(きぜと)、瀬戸黒(せとぐろ)を製作。
■関連リンク やきものの産地・美濃焼
三輪休雪(みわきゅうせつ)
川喜田半泥子(かわきたはんでいし)に師事。萩焼の伝統を受け継ぎながら個性的な造形感覚を加味。
三輪休和(みわきゅうわ)
三輪窯は毛利藩の御用窯(ごようがま)の一つ。藁灰による白釉で「休雪白」と呼ばれる萩焼を創作。


む
麦藁手(むぎわらで)
茶碗などに銹や染付(そめつけ)などで何本もの縦線を引いた文様を描いたもの。麦わらに見立てた縦線が特徴。
向付(むこうづけ)
日本料理の膳の向う側に置かれるぬたなど、簡単な料理を盛る器。形は様々。


め
名物(めいぶつ)
優れた茶道具のことであり、大名物・名物・中興名物にランク分け。
目跡(めあと)
器を重ねて焼く時に、熔着を防ぐために挟んだ土の小塊などの跡。
面取り(めんとり)
器表をヘラなどで削り取って、多角形にすること。また角の頂点を削り落とすこと。


も
木盃形(もくはいがた)
鍋島焼の皿の形で、高い高台のついた盃のような形。
元屋敷窯(もとやしきがま)
織部(おりべ)を焼いた、岐阜県土岐市泉町にある連房式登り窯。
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