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その一 キャプションの謎解き。
美術館などで作品キャプションをじっくり見ている人は少ないのでは?やきものの作品名は長い漢字の羅列でとっつきにくそうですが、作品名には大体の約束事があるのだ。まず最初に、そのやきもので使われている釉薬や技法の種類について、次に図柄や文様について、最後は器形について書かれている。例えば、「染付蛸唐草文瓶」。これは、白色素地に呉須で下絵付けをし、その上に釉薬を掛けて焼成する「染付」の技法で、蛸の足に見立てた唐草模様を描き、瓶の形をしたやきもののこと。
難しそうな題名も、技法−文様−器形というように区切って理解すれば、それほど難しいことはありません。これが理解できれば、鑑賞視点のポイントもつかめるように! |
その二 わからないことはどんどん質問!
作品鑑賞中にちょっとした疑問やもっと詳しく知りたいことが出てきたら、積極的に館の学芸員さんに質問しよう。展示室にいらっしゃらない時は受付でお願いすれば、対応してくれるはず。本を読んでもなかなか分からないことでも、作品を目の前に解説を聞けば理解しやすい。また展覧会期間中は学芸員さんによる説明会が開催されたり、案内テープの貸し出しなどもあるので活用してみては?
学芸員さんはその道の知識の宝庫。いろんな情報を吸収しよう。 |
その三 個展は作家と出会えるチャンス。
ギャラリーやデパートで開催される個展は、作家さんと出会えるチャンス!作品にかける思い入れや、技法の説明などを聞けば、より深く鑑賞できるし、親しみも湧いてくる。窯元に行ってみたいけどちょっと気後れするという人は、まずは個展に出かけてみてはいかが。
ほとんどの作家さんが在席している初日がねらい目。また芳名録に記名するのもお忘れなく。作品写真の入ったお礼のハガキや次回の個展案内が送られてくるので、ちょっと嬉しくなる!中にはこのハガキを収集しているマニアもいる。 |
その四 鑑賞マナーを守ろう!
美術館では「写真撮影禁止」といった約束事を守るのは当然のこと。この他にも注意したいことが幾つかある。メモをとったりするとき、筆記用具にはマジック・ペン類は使わないほうがいい。うっかり落として汚してしまった!なんてことにならないように。
海外の美術館では万年筆のインクが飛び出すことを想定して、使用を禁止しているところもあるらしい。また個展では手にとって鑑賞できることがあるが、その際作品にキズをつけないように手元のアクセサリーや時計は外してからにしよう。また前かがみになった時に作品に当たってしまうこともあるので、ペンダントやネックレスにも要注意。 |
その五 荷物は少なくして出かけよう。
身軽なほうが長時間の鑑賞には楽だし、狭い通路でも迷惑にならない。もう一つ注意したいのは置き引き。荷物をちょっと置いて夢中になって鑑賞していると、危ないですぞ!
特に人の出入りが多いデパートでの展覧会では買い物袋を持って鑑賞する時、前もってロッカーに預けるほうが安心だしゆっくり鑑賞できる。実はうまか陶スタッフも取材機器を置きっぱなしにしてヒヤッとしたことがあるのだ…。 |