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VOL.2 青海波文様(せいがいはもんよう) | |
同心の半円形を互い違いに重ねて波や鱗(うろこ)状の文様をあらわしたもの。「せいかいは」ともいう。中国では「水波紋」といって漢時代の瓦當磚(がとうせん)や銅鏡にみえる。 7世紀の作とみられる群馬県伊勢崎市横見出土の埴輪で正装した女性像の衣の胸から腰にかけて波文を陰刻している。叩(たた)きの技法で成形した須恵器※の大甕の内側には青海波状に当木(あてぎ)の痕跡が残っている。舞楽の曲名に「青海波」というのがあり、これに用いる衣装には波に千鳥の文様をつけるのがきまりで、この文様の名称はこの曲名に由来すると考えられる。『源氏物語』紅葉賀(もみじのが)には「源氏の中将はせいかいはをぞ舞ひ給ひける」とある。『枕草子』に「裳は大海」といっており平安時代には既によく知られた文様である。鎌倉・南北朝時代には古瀬戸魚文瓶子の背景地文として彫り込まれ、同じ頃、中国元時代の青花龍文双耳瓶や青磁貼花雲龍文盤などに地文としてみることができる。近世以降は初期伊万里、鍋島、古九谷の背景地文としてよく用いられ、器面を美しく装飾した。 (吉永陽三)
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