トップ >> 絵で見るやきものの世界 >> 江戸のうまいもんと食器(その2)

縞揃女弁慶・松の鮨 絵で見るやきものの世界
江戸のうまいもんと食器
《その2》
縞揃女弁慶・松の鮨
大判錦絵
19世紀
歌川国芳
C東京国立博物館所蔵
 この絵は江戸一番の贅沢な鮨として有名だった「松の鮨」を描いたもので、おねだりをしている子供がかわいらしい絵です。松の鮨は図に描かれているような中皿に詰められて、進物用として流行っていました。女性が手に持っている皿は五寸ほどの染付の皿で、エビがのっていると思われる鮨が盛り付けてあります。奥に見える戸棚の中には、同じく染付の蓋物や花文の輪花鉢が置いてあるようです。
 もともと鮨は保存のために自然発酵させた食べ物でしたが、江戸中期頃から飯に酢を加えて味をつけた鮨が、江戸後期頃にはにぎり鮨がつくられるようになります。「江戸前」のにぎり鮨は、アナゴやエビなどを煮付け、握った飯にのせて食べたのが始まりです。生魚をのせるようになったのは幕末頃からだそうです。

Copyright(C)2002 Fukuhaku Printing CO.,LTD
このサイト内の文章や画像を無断転載することを禁じます