トップ >> ザ・コレクション >> 海を旅したやきもの(3)・ケンディ、フッカ瓶、髭皿
ザ・コレクション 海を旅したやきもの"
《その3》

 輸出用に生産されていた磁器製品の中にちょっと変わった形をした物があります。  長い頸と乳首型の注口に特徴のある瓶は「ケンディ」と呼ばれ、東南アジア向けの製品です。これは水飲み用の容器で、水は乳首型の注口から口に受けるようにして飲みます。この形の原型は東南アジアにみられ、金属製のケンディもあります。
 口部が盃状になった瓶は「フッカ瓶」と呼ばれる喫煙具です。中に水を入れ、火皿と吸い口をとりつけて喫煙用の水パイプに用います。「フッカ」とは「丸い壺」の意味で、この水煙管はトルコなどの中近東地区でみられる独特の形式です。ヨーロッパでも趣味人が使用していたのではと考えられています。
 口縁部分を半月状に切ったお皿は「髭皿」といいます。半月状に切ったところに首をあて、剃られた 髭を受けるために使用されていました。二つの穴が空いていますが、ここに紐を通して壁にかけていたようです。髭皿は髭を剃る時以外に、瀉血療法の血の受け皿として医療用にも使用されていました。

※瀉血療法:病気を治す為に「悪い血を排除する」という意味で意図的に切開などをして血を取り出した療法。
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