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トップ >> 元気印の窯元 >> 工房禅 |
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![]() ―はじめまして。あの、「工房 禅」というお名前ですが、ご出家なさっているんですか? ![]() ご存知ですか?昔、磁器の生産がはじまった頃は、陶器と磁器を同じ窯で焼いていたことがありました。私は初期伊万里のあたたかみのある染付磁器をつくりたいなと思っていますが、この初期伊万里は、陶器と一緒の窯で焼かれていたんです。ということは、陶器つまり唐津焼を知らなくちゃいけないなあと思って、まずは、陶器の制作から入りました。 ![]() いいえ、実家は窯材(ようざい)の製造を行っていました。具体的に言うと、窯づくりに使うレンガをつくったり、窯そのものの築窯(ちくよう)を仕事としていました。グループ会社の窯元が割烹食器を作っていたのですが、そこでいろいろな陶器の割烹食器づくりもしていました。窯づくりからやってましたからね、登り窯から穴窯といろんな窯で、これ幸いに実験を兼ねていろいろな器をつくりました(笑)。 だから、あまり固定したものにとらわれず、色んな作風の器をつくってきましたね。これは唐津焼でしょ、こちらは安南風、これは初期伊万里風ね。 ―ほんと一人の方がつくられたとは思えません。このごつごつしたおもしろい質感の器は…? ![]() 磁器の原料は石(陶石)になるわけですが、この狭い有田でも地区ごとに石が違いますので、出来上がりにも多少色みの違いなどが出てきていました。 有田は山が多いということもありますが、昔は石の良し悪しによって内山地区、外山地区、大外山地区などと言っていました。今でもご年配の方はそう呼ばれていますね。 やはり自分ひとりで制作するからには、全工程を知ることはもとより、原料を知り、原料を自分で自分にぴったりのものを見つけることが重要だと思います。実は私、器の制作を仕事とする以前は窯業の研究施設で釉薬の勉強もしていました。これが、陶磁器にたずさわる最初だったわけですが。原料を知るには、科学的なことも知らなきゃいけないし、歴史的なことも知っておかないと、原因と結果が繋がって見えてこない。 ![]() そうですね。染付磁器を中心としています。自分でろくろをひいて、絵付けをするので、「ろくろ職人」と「絵付け職人」がつくり出すものとは、また違う物をつくらないと!人と同じ物はつくりたくないですから。 私の器では、「絵」は雰囲気の一部と考えているので、「楽しいな」「毎日使いたいな」と思っていただけるような絵付けを心がけています。やっぱりね、自分が飽きてしまうようなことをやっていてはダメだと思うんですよ。自分が飽きたら、人も飽きてくるだろうし。 私は陶磁器制作に関しては、とくに先生についたわけでもないし、今も一人で制作していますから、自分で自分を楽しんでつくっていかないとね! あ、でも趣味はしっかり先生についていますよ(笑)! ―どんなご趣味ですか? 釣り!器もいいけど、これもね、大好きです。器のほかにもう一つ、私の手づくりを見せますよ。(小箱を取り出して)はい、これはね、フライフィッシングの時に使う擬似餌。とっても小さいから(5mmから1cm)これだけで作る職人さんもいるらしいよ。 ―すべてご自分で…という横田さんらしいですね! いろいろなことにお詳しい横田さんですが「自分が飽きたらだめ」と、自然体でお仕事なさっている様子がわかりました。制作過程でも苦手なところは、得意な作業でカバーする。そして結果おもしろみのある器が生まれるという豊かな発想の持ち主。「器の形をつくり上げていく」のみだけではなく、様々な方向から「器づくり」にアプローチされている新鮮な「作り手」さんでした。 |
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