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トップ >> 元気印の窯元 >> 大谷陶房 飯洞甕窯 |
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![]() ![]() (靖元さん)初めていらっしゃる方は、驚かれますね(笑)。元は唐津市の郊外に工房を構えていましたが、どこか広くいい場所はないものかと、この周囲を見学していた時に見つけたんですよ。唐津焼の起源ともいわれる、飯洞甕窯跡の近くであったこともあり、気にいってここに工房を移しました。器をつくる時の材料はすべてこの周囲で採れるもので作っているんですよ。 ![]() (靖元さん)はい、そうです。まずこの付近の岩を、臼で細かく砕いてこれで器をつくります。まず、砂岩の塊を採ってきて、石臼で細かく砕きます。そしてそれを水に浸して、きめが細かい物だけを使うんです。釉薬ももちろんこの付近の草や藁が材料です。鉄絵に使う、鬼板もうちの庭から採れます。ほら、この岩の筋を見てください。茶色になっている部分があるでしょう。これが鉄分でできている、鬼板です。 私は身の周りにある材料で、唐津焼をつくることで、昔の人がどういう唐津焼をつくっていたのかを考え、再現したいと思ってきました。昔は今ほど交通も発達していませんから、そんなに遠くから材料を運んできたとは考えにくいのです。歩いて周れる範囲で調達していたと思いますね。きっとこの周囲の材料を使って、作っていたのだと想像しています。 唐津焼もそうですが、○○焼と土地の名前が付いているでしょう。あれは原料の違いからくる、作品の特徴の違いをそのまま表しているんです。そうすると、昔は身近な範囲の原料でつくっていたということが、わかるでしょう。 (妙子さん)私はクラフト感覚の食器を中心に作っていますが、本当に身の回りの物が材料になるんですよ。この私の作品の釉薬は梨の木を燃やした後の灰から作ったんですよ。 ![]() はい、私は中学生の時からやきものが好きで、高校を出た後、唐津の窯に弟子入りしていました。京都でも勉強していましたね。今でも毎日勉強なのですが、400年前の陶工たちがどうやって作陶していたかを想像しながら、様々な試みをするのは楽しいですね。玄関横にある穴窯で月3回ほど焼成していますが、この窯も耐火煉瓦なんかは使っていないんですよ。昔ながらに粘土で作っています。これが1250度を越えると、熱で窯が壊れる!だから昔の人はきっと、1250度以上にはならないようにして、工夫しながら焼成していたんだと考えています。私もこのくらいの温度で、だいたい半日くらいで焼き上げます。よく「そんなに短い焼成時間で、器が水漏れしないの?」と聞かれますが。しないんですよ! 手を使って石臼で、砂岩を挽くでしょう。そうすると砂岩の粒子が、わかりやすくいうとぎざぎざになっているのです。焼成時間が短くても、このぎざぎざのおかげでしっかりと、粒子がからまり水漏れしにくい器ができあがるのです。機械の一定の力で、砂岩を挽くと粒子が丸くなって、こうはいかないのです。模索中のこともありますが、これからはやはり自分のスタイルを確立していきたいですね。 ![]() (靖元さん)そうそう、子供が小さかった時は、おんぶしたままろくろを挽いていましたよ。今は子供が大きくなりましたので、少しはいいかな? ―そうなんですか。そんなお話をうかがうと、身近に窯元さんを感じてきますね。よく、ギャラリーや窯元さんに出かけても、どうやって選んだらいいのかわからないという声を、聞きますが…。 (靖元さん)まずは第一印象で決めてみてはいかがでしょうか。その人の好みはライフスタイルによっても様々ですから、やはり自分のカンで選ぶのは大事だと思いますよ。そして、自分でお金を出して手に入れ使えば、だんだんと器のいいところや悪いところなども見えてくると思います。そうすることで、自分も成長し、見る目も養われていきますよ。 ![]() |
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