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《その1》 |
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「誂物之雛形」旧前川家資料
和紙・墨書
明和9年(1772年)
C伊万里市教育委員会所蔵
前川家旧蔵品であるこの「誂物之雛形」は伊万里の前川家が扱った京都の公家用の注文帖です。今回はこの注文帖の一部をご紹介していきます。この注文帖には、器の形(種類)とサイズ、数などが文様のデザインとともに記されており、特に様々な文様の碗がたくさん登場します。「誂物之雛形」に描かれた絵柄とまったく同じ陶磁器は今のところ伝わっていませんが、類似したものはみることができます。
伊万里の前川家は18世紀を代表する有数の陶商で、当時「天下の台所」と呼ばれていた大坂を中心に自前の船で陶磁器を積み出していたそうです。また前川家は柿右衛門などの有田の窯へ絵手本をそえて注文を出しています。ある年などは葵の紋入りの江戸御本丸御用品の注文依頼を受けて仲介したこともあるそうです。こういった陶器商が伊万里には軒を並べ、大変賑わっていたそうです。天保6年(1835年)の資料「伊万里歳時記」には、伊万里津に80人ほどの陶商がいたことが記されています。 |
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