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蘭人外科療治図 絵で見るやきものの世界
江戸のうまいもんと食器
《その3》
染付花盆文髭皿
これは日本ではなくオランダ・デフルトにて製作されたものです。18世紀前半に有田でつくられた製品をデフルト陶器で模写したものです。
染付花盆文髭皿
18世紀前半(オランダ・デフルト)
C佐賀県立九州陶磁文化館所蔵



蘭人外科療治図
長崎古版画 多色
C長崎市立博物館所蔵
 18世紀中頃になると西洋医学が日本でも積極的に活用されるようになります。出島オランダ商館の医師シーボルトが設けた鳴滝塾をはじめとして、各地に蘭学塾が開かれ西洋医学が根付くようになります。この絵は患者に外科手術を行っている場面を描いたものです。出島ではシーボルトのような医師によって外科手術が行われ、当時の日本人にとっては珍しい光景でした。
絵の中で患者の腕を切開しようとしていますが、腕の下には染付の大きな鉢のようなものが添えられています。おそらく髭皿もこのような使い方をしていたのでしょう。髭皿は口縁部分を半月状に切ったお皿のことで、半月状に切ったところに首をあてて髭を剃っていました。また髭皿はこれ以外にも、瀉血療法の血の受け皿として医療用にも使用されていました。ちなみに画面奥のテーブルに載っている青い箱は薬箱で、中には薬入ガラス瓶が入っています。
※髭皿についてはこちら→
※参考作品は必ずしも、絵画に描かれている場面と同年代とは限りません。ご了承ください。

その2
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