アールヌーボーを思わせる器
有田焼の絵柄は時代によって様々な美を取り入れています。大正時代のこの絵柄には、当時ヨーロッパで大流行していたアールヌーボーの影響を受けていると思われます。
アールヌーボーとは「新しい芸術」を意味するフランス語で、19世紀末頃に、ヨーロッパで起こった芸術工芸運動のことをいいます。特徴としては、主に曲線を用い、植物などの自然を描写し抽象化したもので、装飾性高く構成されています。実はアールヌーボーは日本の浮世絵や工芸品のデザインから影響を受けていたのです。
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アールヌーボー調コーヒーカップの絵柄見本図
紙本着色
大正時代
C株式会社香蘭社所蔵 |
上図のコーヒーカップはカップ部が花びら形になっています。持ち手のところは葉になっているようです。花びらと葉の形から菊ではないかと思われます。下図は蓮の葉でしょうか、カップと皿に大きく葉があしらわれています。右図はカップを上から見たところのようです。 |
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アールヌーボー調鉢の絵柄見本図
紙本着色
大正時代
C株式会社香蘭社所蔵 |
上図の鉢は鉢内部を花に見立てています。下図は、葉を足にしています。どちらの作品とも曲線をふんだんに使用した優雅な器になっています。 |
|その2||その4| |