| Vol.4 | 
                
                
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                  暗夜 
                  (あんや) 
                  ■発行所 
                  株式会社マガジンハウス 
                  ■著者 
                  志水辰夫(しみずたつお) 
                  ■定価 
                  1700円 
                  ■ジャンル 
                  現代小説 | 
                
                
                  
                   
                  女か、金か、復讐か!弟の仇を討つのが目的ではなかった。真相を知りたいと切望したわけでもない。事件の背後から漂ってくる退廃と悪徳の臭いにひきよせられたのだ。修羅場でしか生きられない男の不毛の挑戦がはじまる。(カバー広告より) 
                   
                   
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                   陰のある男、榊原俊孝が弟の死を探るうちに、中国の古陶磁が絡んだ事件や暗黒社会の謎に迫っていくハードボイルドな一冊です。 
                   
                   俊孝が刑務所から出てくると、弟の隆二が何者かに殺されていた。隆二が生前住んでいたマンションには、見慣れない中国の骨董や陶磁器に関する本が何十冊とあり、特に唐三彩に関する解説本がかなりの頻度で読み込まれていたのです。隆二の死の謎を追っていくうちに、俊孝は遺品と思われる中国古陶磁の唐三彩を見つけます。それは取っ手のついた水差で、胴から細長く伸びた注ぎ口の先端が鳥の形をしています。あまり鋭いところの感じられない、ぼやけたような、眠いような微妙な色合いですが、それがえもいわれぬやさしさを感じさせる品なのです。俊孝は隆二がこの唐三彩の水差が原因で殺されたのだとにらみ、中国と日本をまたにかけながら犯人を追っていきます。 
                   
                   俊孝が中国で見たものは、古陶磁の組織的盗掘や不法売買、またそれに絡みつく日本のコレクター。彼は闇社会の人間たちと接触し、あらゆる罠をしかけながら隆二の死の謎、そして唐三彩のでどころを探りだしていきます。 
                   
                  ■関連リンク 滅びし者へ(志水辰夫) |