デンマーク王室ゆかりのロイヤル・コペンハーゲンは、ヨーロッパを代表する名窯のひとつとして知られています。1775年に設立されて以来、優れた技術と高い芸術性を誇り、世界各国で多くの人々に愛されてきました。
1779年には、国王クリスティアンZ世の全面的支援を受けて王立窯となり、宮廷の晩餐会を彩る絢爛豪華なディナーウェアーが制作されました。当時の自然科学への志向を反映し、北欧の植物を繊細な色彩で再現した“フローラ・ダニカ”や、青い花文様を配した“ブルー・フルーテッド”は、ロイヤル・コペンハーゲンの代表的なスタイルとして現在も親しまれています。
その後、1885年に芸術顧問となったアーノルト・クローの活躍により、ロイヤル・コペンハーゲンは革新を遂げます。北欧の風土に調和した独自のジャポニスムを創案し、パリ万国博覧会でグランプリを受賞するなどの国際的な成功を収め、その名声を確固たるものとしました。
本展では、18世紀後期から20世紀初頭までの名品を一堂に展示し、ロイヤル・コペンハーゲンの歴史的展開をご紹介します。優美な気品が漂う最高級の装飾芸術をご堪能ください。
|