九谷焼を心で、そしてできるだけ幼い頃よりその魅力を感じていただきたい。そんな想いからこの夏だけの期間限定で九谷焼美術館企画展示室を《動物園》にしてみました。いつもとは違った目線で九谷焼を鑑賞していただければと思います。九谷焼は植物、人物、動物、風景、おめでたい図柄や文様などの様々な画題が描かれています。そのなかでも身近であり古来より万人に愛されている《動物》にスポットをあてました。動物の姿を忠実に再現してあるものから造り手がデザイン化したものまで多種多様にわたります。
企画展示室では、(瑞獣コーナー)、(陸上動物コーナー)、(鳥類コーナー)、(草原コーナー)、(水族コーナー)、(置物コーナー)と空間を6つに振り分けました。本展観の動物の種類は、龍、飛龍、鳳凰、麒麟、獅子、鼠、牛など59種類が登場いたします。その制作に関与した人物・窯としては、古九谷、吉田屋窯、宮本屋窯、木崎万亀、井上陶源など。このようにたくさんの動物画が多くの作家や窯元職人によって制作されており、同じモチーフでも作る人、場所、環境、想像力などによってさまざまに表現されてきました。それだけ多くの造り手が注目し興味を抱いた《動物画》。この機会に小さなお子様から九谷焼ファンの皆様までこれら動物を描いた九谷焼のもつ魅力を感じとっていただければ幸いです。
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