北大路魯山人は陶芸や書画、漆芸などの多彩な分野において古美術をこよなく愛し、師としながらも独自の美の世界を追求、表現しつづけた芸術家です。
本展は、国内の名作コレクションと日本初公開のアメリカ・サンディエゴのカワシマ・コレクションより陶磁器を中心に、漆器、篆刻、書画など約80点を展示します。
魯山人の芸術は、常に生活の中で生まれ、生活を彩るものでした。料亭「星岡茶寮」を経営し、自ら調理にあたったほど、生きる根本である食にこだわった美食家としても知られています。陶芸のきっかけもその美食ゆえんでありました。食器は料理の着物とし、客に振舞う料理を自らの食器で彩り、ともすれば抽象的で捉えづらい美というものを、生活の中で使う道具において具現化し、生命力溢れる生き生きと息づいた作品に昇華させました。
日常の生活の場においてこそ、美しく色づく魯山人の世界を味わっていただければ幸いです。
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