田園に広がる豊かな自然よりも街の喧騒の中でひっそりと咲く花に、たとえようもない美しさを感じることがあります。それは、各人各様の感じ方で自然はそれぞれ異なって見え、ひとつとして同じ自然は存在しないといえるでしょう。
芸術家たちは、自然の表情を彼らの視点でとらえ、情感豊かに描き、かたち造ってきました。そして、私たちは、それらの美術作品によって、自然の美しさを新たに発見し再認識します。
本展覧会では、とちぎ蔵の街美術館のコレクションを中心に絵画、陶芸、竹工などジャンルを超えて、自然をモチーフとした作品約50点を<描く>、<編む>、<造る>など3つのテーマにわけて展覧します。
四季折々の変化を描いた風景画、竹という自然素材を極限まで活かし優美に編み上げた竹工、自然風土から創を得て、かたち造り絵付けをした陶磁器など、その様相はさまざまです。
これらの作品を通して、芸術家たちが自然へ注いだまなざしにより描き、編み、造られた<自然>がどのように見えてくるかを探るとともに、<自然>たちの表情を楽しんでいただきたいと思います。
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