姫路では、かつて木工や染織、陶芸、革工、金工、漆芸など数多くの分野の工芸品が職人によって生み出され、生活の中に息づいていました。しかし、現在では、生活様式の変化とともに衰退、廃絶し、これらの工芸品が姫路で作られていたことを知る人も少なくなりつつあります。
本展では、当館が開館以来収集した作品から姫路の伝統的な工芸品を中心に、陶芸、金工、革工の作品約50点を展示。その工芸品に見る美の世界を紹介します。
東山(とうざん)焼:文政5年(1822)に飾東郡東山村(現在姫路市東山)で始まったやきもので、その後姫路藩窯として染付や青磁の優品を生み出しましたが、明治期には不振となり廃窯となりました。
鷺脚(ろきゃく)焼:永世舎の陶工・中川勇次郎が、明治14年(1881)に姫路市小姓町で始めたやきもので、土味は楽焼風、原形を手びねりで作り、竹べらなどによって文字、風景、小動物などを彫刻するのが特徴です。昭和59年(1984)に二代目鷺脚が亡くなったのを最後に絶えました。
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