陶芸と美食の大家として広く知られている北大路魯山人。その芸術活動は刻字、書、画、漆芸と多岐にわたります。魯山人自身の並々ならぬ研鑽と、それぞれその道を究めた芸術家や職人との出会いにより、天賦の美的感性がさらに磨かれ、大きく開花しました。
本展では、彼の手がけた多彩な作品200余点と、顧問兼料理長を務めた会員制の料亭「星岡茶寮」で使用された食器30余組も展観いたします。さらに特筆すべきは、魯山人70歳の時の壁画「桜」(幅約4m)と「富士」(幅約2m)の特別展示。当時パナマ船籍のアントレ・ディロン号の船室を飾るために制作された後、生涯唯一の大作です。完成後、日本橋高島屋に展示された後、日本を離れ、最終的にポルトガルに辿り着いたことが確認されていました。
2009年は魯山人没後50年。今年2010年は日本・ポルトガル修好150周年、そして、折しもジェイアール名古屋タカシマヤは開店10周年を迎えます。記念すべきこの年に、約57年ぶりにポルトガルより里帰りする壁画を含め北大路魯山人の芸術の全容を心ゆくまでお楽しみ下さい。 |