器の形


茶器


茶器(2)では茶席で用いられる抹茶碗を紹介します。侘び茶の世界においては、華美なものを退けることから、抹茶碗は陶器(土もの)が好まれます。「一萩二楽三唐津」という言葉もあるように、各地に茶陶として名高い陶器窯があります。
 
井戸茶碗
高麗茶碗の一種。高台が高く、
腰は少しの丸みがつき、
口は末広に広がった形をしています。
名前の由来は、井戸という人が
日本に持ち込んだから、見込みが
井戸のように深いからという説が
あるそうですが、はっきりとは
わかっていません。


沓茶碗
胴に歪みが加えられた形の茶碗。
上から見ると楕円または
三角形のような形をしています。
昔の沓(くつ)の形に似ている
ことからついた名前です。
唐津焼の茶碗にも
よくこの形が見られます。
筒茶碗
胴がまっすぐで、円筒形をした茶碗。
深さがあり、湯が冷めにくい
ことから12月から2月と
いった冬の時期の
茶席に用いられます。
半筒茶碗
筒茶碗が深さがあるのに対し、
こちらは浅め。筒茶碗の
七分目くらいの深さの物を
半筒といいます。
筒茶碗に比べると、
口径があり高さは低い。
茶席では夏以外の季節に
用いられます。
半筒茶碗
高さがなく、浅く口が広い形を
した茶碗。茶席では涼しげな印象が
することから、夏用の
茶碗として使われます。
夏茶碗と呼ばれることも。