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―スタッフの陶器市考察― 2008年 有田陶器市レポート総括 第105回有田陶器市 取材よもやま話 |
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えっ! フライングじゃないの? | ||||
ところが今年は、前日28日が月曜日なので、日曜日の27日から「やっちゃえ!」ということでしょうか、27日から「陶器市スタイル」のお客さんがたくさん! 皆さん両手に買い物袋を何袋も提げて意気揚々と帰ってゆかれる人もいれば、両手に買い物カートを持つ人がいたり、はたまた車のトランクに大きな手提げ袋を何袋も詰め込まれたり。例年にないプレ陶器市、「今年はすごい…?」という期待(?)と、反面、町はまだ陶器市の準備中なので、せっかく有田に来られたお客さんは他で買い物できないし観光もままならない、「有田陶器市はこれでいいの?」という疑問も…。 |
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し〜ずかな、静かな、陶器市のはじまり | ||||
ということで、有田の町の中が「静か―」。買い物客の「殺気」も感じず、呼び込みの声もほとんど聞かず、皿が触れ合う「カチャカチャ」という音も街頭まで届かず、という寂しい幕開けでした。と言えども初日は20万人が来場という発表でしたので、そこそこの人出だったのでしょうが、悪いことに、世の中では値上げラッシュが続いている時でしたので、財布の紐もギュッと締まっていたようです。 |
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新作はいずこ? | ||||
さて、肝心の新作・新商品ですが、流行と言うか雑誌で紹介されているような、どこかで見たようなという印象のものが多く、大半が「力が足りない」ようです(関係者の方ごめんなさい)。究極のラーメン鉢以来、有田陶器市で新作発表が定着し、喜ばしいことです。しかし、年々回を重ねるごとに「商品の力」が減少しているように感じるのは私ひとりでしょうか? 新商品を見て、「欲しい」と思うよりも「うん〜?」と考えてしまう商品が多くなりました。さらに「それ、違うんじゃない」と思わず言ってしまうような商品もあり、土の無駄遣いとまでは言いませんが、エコではないですね。 |
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客層の変化は? | ||||
ところで、今回、有田陶器市にいらっしゃった人々の特徴はどうだったのでしょうか? 数年前から有田陶器市の「レジャー化」が進行してきていると書いてきましたが、今回もやはりレジャー客が主流のようなでした。しかし、レジャー客が買わないかというとそうではなく、「目当ての商品を買った後は観光」と言った人もいるように、買い物の後は他の店などを見てまわる「観光」をするか、あるいは同時期に開催されていた隣町の波佐見陶器まつりや他の産地を「観光」されていたようです。 今回、大きな変化があったのが「有田陶器市」目的のバスツアーが増えたことです。以前はツアーの通過点が有田陶器市でしたが、今回は明らかに「買う目的」のお客様を乗せたバスツアーが多かったようです。バスから降りてくる人々の背中にはリュック、リュック、という姿があちこちで見られました。バスの添乗員さんも有田に来るまでに陶器市必勝法を伝授されていたようで、帰りしなのバスの前では添乗員さんを巻き込んでお互いの「戦利品」を見せ合う光景も見られました。
ところで、今回の隠れた特徴として、ツアーではなくリュック姿の若い女性のグループもチラホラ。彼女たちに話を聞いてみると、事前の情報収集がすごくやきものの知識も豊富で、各地の産地を巡る、歴戦の勇者(?)と見紛う雰囲気を醸し出していました。中には有田陶器市での値切りのテクニックをブログで紹介されていた人も、プロ(?)の若い消費者が多く出現した年でもあったのではないかと思います。 |
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売れた店、売れてない店 その差は何? | ||||
聞くところによると、今回の有田陶器市では軒並み売上ダウンだったということです。確かに上述したようにお客さんの財布の紐が固かったからでしょう。しかし、中には大幅アップの店舗もあったようです。この売上アップと売上ダウンの店の差は何かと考えてみると、幾つかの違いが浮かび上がってきます。売上アップした店の共通点は、 1、 常日頃から独自の新商品を出しているところ。 2、 自社ブランドをしっかりと認識されているところ。 3、 お客が楽しんでいるところ。 こういったところには人が集まっていたようです。 こういう店は、決して店主が椅子に座ってふんぞりかえってはいません。また、100円均一の商品のすぐ奥に高額の商品を並べたりしません。そして、お客様に「そりゃー、有田焼だから…」とは言いません。 一方、以前までは特徴があり、人だかりがしていた店が少なくなり、面白さがなくなって平均的、といった店があちこちに。今回有田陶器市に来た人のブログを見ても、おもしろいと紹介している店舗は限られていました。
来年また、出店数が減り、楽しめる店が減るようであれば、このスケールメリットが目減りするのは確実です。できれば、来年の有田陶器市にはどの店も楽しめる店作りをしていただき、お客もよろこび、更には店もよろこぶ有田陶器市であってほしいものです。 |
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