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行ってきたよ有田陶器市
2004年 第101回・有田陶器市
うまか陶スタッフ取材日記

今年も行ってきました「有田陶器市」。途中悪天候の日もありましたが、期間中(4/29〜5/5)の人出は累計103万人(有田商工会議所発表)だったそうです。うまか陶スタッフも日々早起き、そして日々栄養ドリンク片手(笑)に、連日有田陶器市へ繰り出してきました。今回は毎年恒例・お買物取材に加え、初日はちょっとセレブ気分で「ブランド」巡りをしたり、はたまた最終日には「叩き売り」巡りをしてきました。ほんとに有田陶器市はいろいろな「顔」を楽しむことができまーす。まずは取材日記をどうぞ!
■初日:4月29日 快晴(20万人の人出)
朝一番 開くまで待とう 陶器市

 よいよ開幕の有田陶器市。この日私たちは朝6時に有田入り。今日の予定は、とりあえず有田をぐるりとまわること。初日のこの日が期間中、最も多い人出だったそうですが、午前11時ぐらいから、「あらよあらよ」という間に人が増えてきたんですよね。私たちは泉山の公営駐車場へ車をとめ、まずはおなじみ朝粥サービスへ出かけてみました。なんと今年は早朝3時から並んだお客さんもいたとのことで、すでに長蛇の列。染付のお茶碗に朝粥を入れてサービスしていただけるのですが、食後はこのお茶碗をお持ち帰りできるという嬉しいイベントなんですよ。(人数制限有り)「毎年すごいよねー」と目を細めながら、見事朝粥とお茶碗をゲットされた方々に心の中で拍手をおくるのでした。
 私たちの予定ではまず有田焼卸団地へ行くのですが、何せ早朝ですので送迎バスも無し…。結局歩いていくことにしました。普段では「泉山から有田焼卸団地」まで歩くなんて考えられない距離なのですが、高まる鼓動とありあまっているエネルギーをぶつける(?)には丁度いいかもなんて思いつつ…。途中、毎年早朝セールを開催している賞美堂さんのお店に寄りましたが、ここもセール開始時刻の1時間前だというのにすでに50〜60人ほどの列ができてました。そこで私の横に長崎ナンバーの車が停まり、車内からおじさんが「何の行列?何かあるの?」と訊ねてこられました。「陶器市で、タイムサービスがあるんですよ」と教えると「え?陶器市なん?」とびっくりして去って行かれました。
トイレ紙 貼っておくれよ 注意書き

 がすがしい空気の中、私たちはまだ人の少ない陶器市のメインストリートをずんずん歩いて卸団地へ向かいます。途中有田町役場の公衆トイレに寄りましたが…毎年のことなのですがトイレットペーパーが置いていないんですね。私は知っているのでトイレに入る前にはポケットにティッシュを忍ばせていくのですが。ちょうど役場トイレの前には案内所があり、係の人がいたので、お客さんとの以下のようなやりとりが何度も行われていました。

・お客さん「あのぉ、トイレの紙が切れているみたいなんですが」
・係りの人「ああ、期間中は紙はご持参いただくようにしているんです。すみません。」


こんな感じ。15分程度の間にこのやりとりを何度見たことか…「すみません」じゃなくって、「トイレ紙はご持参ください」って張り紙をドアか入口にでも貼ればいいのに…。そしたら誰だってバッグから出して入室するし、係の人も何度もお客さんに「すみません」と言わなくてすむと思うのですが。
紙を用意できないことが悪いのじゃなくって、事前にはっきり伝える方法をとって欲しいだけなのに。陶器市初めての人もいるし、誰だって入ってから紙がないと分かったら、「がーん」と来るでしょ。忙しい時こそ、いかにコストダウンして最高の効果を得られるかを考えなきゃ!と、朝から小規模噴火を起こした私です。いえ、有田陶器市の熱ーい、一ファンだからこそ言うんですよ。
「らっしゃいませ」 笑顔で出迎え 卸団地

 あ、一体どのくらい歩いたでしょう?8時すぎに卸団地に到着。まだ人もまばらだし、お店も準備中がほとんど。しかし団地の事務所の無料休憩所が開放されており、そこで一休みしました。係の方もとても親切で、お茶のサービスもあってました。早朝組には嬉しいですよね。かなりの距離を歩いたので、30〜40分ほど休憩して団地内をめぐってみることに。ここは一ヶ所で何軒ものお店を見ることができるし、雨の日の買い物も楽なので人気スポットのひとつなのです。もちろん陶器市期間に併せてセールもある!(普段でもここは2割引で買えます)
 私たちもかなり頻繁に、この卸団地には来ているのですが、普段とは違う姿を見ることができました。それは…「どの店も店員さんがいらっしゃいませと笑顔で出迎えてくれる」ということ。え?あたり前じゃないの?
うーん、それが残念ながらあたり前じゃないんですね。全部とはいいませんがいくつかのお店は「ごめんください」といっても誰も出てこないケースも多々あるんですよ。(これホント)ということで、この日はいい気分で全てのお店を見学することができました。
目を皿に 奥様ブランド 争奪戦

 日の目的は有田陶器市全体を流すことと、もうひとつ。今回はブランド窯元さんを回ってみることも大きな目的でした。どうしても陶器市というと安物買いに走ってしまうのですが、陶器市こそなかなか手が出せないブランド品を、そしてちょっとセレブな気分になりたくて人気の窯元さんをめぐってみました。
まずは卸団地のそばにある、青花ブランドでお馴染みの「しん窯」さんと、こちらも有名「源右衛門窯」さんへGO!朝の10時前後だったのですが、すでにたくさんのお客さんで大賑わい。そしてみなさん無言で器を選んでいるんですね。その姿はまさに静かなる戦い。
あ、静かじゃないです。お茶碗の「カチャカチャ」という音だけがそこらじゅうに響き渡っているんですね。「無言」これはブランド窯元さんならではかもしれません。
間違っても

「ちょっと、おっちゃん。これ二つ買うから安くしてよー」
「仕方なかね〜。んじゃ200円安くしてやるバイ」


という「陶器市らしい」やり取りは決して聞こえてきません。陶器市期間中はお安くはなっていますが、結構いい値段はします。それでも何客も買う人の姿を多く見ることが出来ました。
「源右衛門窯」さんは器に加え、古伊万里柄をアレンジしたファブリックも販売されていますが、このコーナーは大人気!商品が見えないくらいの人垣。お客様はセレブな雰囲気漂よう中高年の奥様方がほとんどでした。
「しん窯」さんでは購入されたお客さんに「茶房券」が渡され、おしるこやコーヒーなどをサービスして下さるんです♪もちろんしん窯さんの器で楽しめます。ちゃっかり私たちもおしるこいただいちゃいました。(おいしかったです)
ターイムショーック 急ぎ回れよ バスツアー

 「しん窯」さん、「源右衛門窯」さんを見たあと、又歩いて陶器市メインストリートへ向かいました。JR有田駅付近へ出ると、いつの間にやらものすごい人出!30分ほどこの周辺をうろうろしましたが、どこからともなく人が増える・増える。どうやらバスツアーの団体さんも多く、添乗員さんやバスガイドさんの姿もちらほらと。
開催中、何人かのツアー客の方と話をしましたが、皆さん時間がとっても気になるよう。それもそのはず、バスツアーは帰りの集合時間が決まっているし、特に初めての人はどこに何があるのかも分からないし、どこまで行って戻ってこられるのかも見当がつかない!ある意味緊張感溢れる、まさに勝負どころの陶器市といった感じでしょうか。私たちみたいに「明日も来るからいいや〜」という妥協は許されません。バスツアーのお客さんや初心者向けに「1分でわかる有田陶器市」なんていうガイドマップがあってもいいかもしれません。いわゆる有名どころや、見所を効率的に回れるルートを記載したマップ。どうでしょう?このアイディア。うーん、あの人ごみじゃ、あんまり役立たないかなぁ。
ピクニック? いえ陶器市です 男子です

 昼はメインストリートを闊歩した私たち。昨年頃から陶器市の客層が変ってきているんですね。それまではいわゆる主婦層の方や中高年の夫婦といった方たちがほとんどだったのですが、昨年から若い層が随分と増えたのです。特に今年目立ったのは若い男性。20代の男性なんです。
それも男性同士で来ているケースや、一人でというケースがかなり増えている印象です。そしてちゃんとみんな陶器市ルック。料理学校の生徒さんなどが、よくいらっしゃるとは聞いていましたが、それにしてもよく見かけました。中には自分のコーヒーカップをゆっくり品定めしている人も。
軍手不要 これがセレブの 陶器市

 インストリートにもいわゆるブランド窯さんがあります。今度はそちらを見ていきましょう。
まず今右衛門窯さん。展示室には今年の陶器市限定品とともに、定番商品に加え、人間国宝・故13代今泉今右衛門氏や14代今右衛門氏の作品も並び、さながら美術館のようなおもむき。お客さんも目がうるうる、そしてため息といった感じ。ただ人事ながら、リュックを背負った人が動くたびに、商品棚に当たらないか心配でした…。
 次に今右衛門窯さんのすぐそば「香蘭社」さんの本社へ!ここの特設会場でも静かな争奪戦が繰り広げられていました。
 お次は今年110周年記念を迎えられた「深川製磁」さん。工場直営のアウトレットは毎年人気で、二級品を格安で買うことができます。本店の中ではステキな福袋があったり、一級品が割引になっていたり!本店内ではデパートのお歳暮販売コーナーでよくある、カード式の販売でした。好きな商品を見つけたらそのカードを店員さんに渡して購入するというもの。手荷物でかさばる陶器市には嬉しい買い物方法です。梱包もすませてあったようなので待ち時間も少なくてすみますよね。
 最後はメインストリートから少し離れた南川原通りにある「柿右衛門窯」さんへGO!メインストリートの喧騒とはうってかわって、ここは静か。展示場に併設されている美術館で古伊万里を見たり、離れのお宅で人間国宝・14代酒井田柿右衛門氏の作品を鑑賞させていただいたり…。
そしてこの離れでは美しいお庭を眺めながら柿右衛門の湯呑みでお茶をいただいたのでした。うーんリッチな気分だわ。
 にかく初日は早朝から夕暮れまで動きまわりました。今年は期間中、この初日が一番の人出だったんです。ただちょっと気になったのは、以前までのようにカート持参の人が少ないこと。
そして帰りがけも大荷物の人が少ないなあという印象でした。もちろん取材をしながら、めぼしいお買物スポットもしっかりチェックしましたよ〜。お買物取材は5月2日に決行しました!
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