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Vol.39 |
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わく沸くどき土器
私は遺跡発掘作業員
■発行所
青娥書房
■著者
伊藤啓子
■定価
1,200円
■ジャンル
エッセイ |
遺跡発掘作業のことを知っていますか?
見て、聞いて、掘って、触って、図面を描いて…、
わあ、大変!哀歓こもごもの遺跡発掘エッセイ (カバー広告より)
主婦・伊藤啓子さんは地元の遺跡発掘作業員。エッセイ教室にも通い、遺跡発掘という仕事を題材に書き溜めた原稿を、一冊の本としてまとめたもの。30編ほどのエッセイで構成されており、どのコマから読んでも楽しめる内容です。
こちら佐賀県にも有名な吉野ヶ里遺跡があり、発掘作業の模様を見学したことがありますが、一日中外の仕事はいろいろと苦労もあるのではと思ったことがあります。冬の寒い時期、夏の体力勝負と経験者ならではの発掘現場の大変さや、遺物を掘り当てたときの感動などを、小気味良い文章で読むことができますが、伊藤さんのユニークな表現で、おもわず噴出しながら読んでしまう場面も。また「遺跡発掘」を調査・学術研究といった側面だけでなく、ひとつの仕事場としておもしろい道具や記録作業をする際の嬉しい気分なども微笑ましく、おもわず「遺跡発掘」という職場にチャレンジしたくなってしまいます。エッセイの中には土器や陶磁器の発掘、復元などに携わった時の様子などもあり、興味をそそられます。
専門家というよりも一般人に近い視点で遺跡発掘の舞台裏を紹介つつ、伊藤啓子さんという自分史という側面もあるエッセイです。
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