室町から桃山時代にかけて、中国華南地方の色鮮やかな三彩釉の技法が日本に招来され、そこから様々な焼物が生み出されました。かってないカラフルな色釉を用いた三彩釉は、京、大坂、堺などでもてはやされ、その技法は、一つには樂焼技法となり、また他方では、仁清をはじめとする京焼色釉世界へと発展して行きました。本展では華南三彩から、長次郎・樂歴代、光悦、野々村仁清、尾形乾山、永樂保全など、侘び茶の精神世界から色華やかな王朝世界まで都ならではといえる、焼物世界・京焼の流れを一望します。
特別公開として、この度新指定された重要文化財・長次郎作二彩獅子像を指定後当館初公開。樂焼はもとより仁清、乾山等の上絵京焼陶に影響を与えた明時代華南三彩の流れを汲む最も古い年紀銘のある作品として、樂焼と京焼をつなぐ基点ともなる作品です。
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