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絵で見るやきものの世界 遊興の片隅で
《その2》
両国夕涼之図
両国夕涼之図
大判錦絵・三枚続
文化末期〜文政頃(1818〜1830年) 溪斎英泉
C北九州市立美術館所蔵
参考作品
染付花唐草文鉢
染付花唐草文鉢
1810〜1850年代
C佐賀県立九州陶磁文化館所蔵 柴田コレクション

※参考作品は必ずしも、 絵画に描かれている場面と同年代とは限りません。ご了承ください。
photo 夜空に舞い散る花火を女性達が楽しんでいます。江戸・両国では旧暦の5月28日から納涼が解禁となり、川開きとともに花火大会も開催されていたそうです。絵の中央の川の方を見ると、たくさんの屋形船で賑わっているのがわかります。
photo 三味線を持っている女性の後ろには様々な形の陶磁器が見受けられ、朱塗りの台の上には刺身が盛られた鉢や、調味料が入っている猪口、取り皿などがあります。台の足元には水をはった盃洗に猪口がぷかぷか浮かんでいます。寛政期の風俗などを記した「寛天見聞記」には「盃あらいとて、丼に水を入れ、猪口数多浮め詠め楽しみ」と記されていることから、盃洗にたくさんの猪口を浮かべて楽しんでいたことが分かります。もとは料理を入れるための猪口が、酒盃として取り入れられていた様子が伺えます。
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