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ザ・コレクション 現代若手作家編飲兵衛の蒐集物語
《その2》

斑唐津  釉薬のトロリとした雰囲気が酒との相性がいいようで、唐津焼酒器として最も人気が高いのが、この斑唐津。古唐津に見られる斑を再現しようと、取り組んでいる作家が多いのも事実です。
 斑唐津は、唐津でももっとも古い岸岳系の窯で多く用いられた技法で、藁灰で作られた白色の斑釉をかけたものをいい、別名を白唐津ともいいます。「斑」と呼ばれるのは、粘土に含まれている鉄分などが、器の表面に溶け出し、青や黒の斑点が現われることから名付けられています。また使い込むほどに色合いが変化していくのも、斑唐津の魅力のひとつです。
斑唐津ぐい呑み
丸田宗彦・作
 濃い土色に、白い斑がよく映えた一品。斑の隙間から見え隠れする土色のせいで、白波のようにも見えます。器の表面は力強い面取りが施されており、きりりとした品を感じさせます。
斑唐津盃
川上清美・作

 外側正面と、見込み中央にぽっと濃い色のアクセントが入っており、小宇宙を感じさせるような、酒を飲むのが楽しくなりそうな盃です。見込みの斑をじっくり楽しみながら飲めます。
斑唐津ぐい呑み
吉野靖義・作

 わずかに釉薬が緑がかった中に、濃い焦げ茶色の斑点が表れています。外に広がった飲み口は、釉薬の荒々しさと対照に、親しみを感じさせます。手に持つと意外に軽く、素直になじみます。
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